シネマ秘宝館の館長、斎藤浩一さんが急逝されてから数日経つがまだ実感が湧かない。
お顔も拝見することができたが、何かの冗談としか思えなかった…
48歳。本当に若すぎる死だ。
多くの人にシネマ秘宝館の館長として愛された斎藤さんだけど、自分の中ではシネマ愚連隊作品『痛快エロ坊主』を一緒に血と汗を流しながら作り上げた戦友。誰がなんと言ってもやっぱり戦友なのだ。
斎藤さんは『痛快〜』には最初、助監督として参加してくれ、急遽、演者としても出演してもらうことになり、二足のわらじでかなり大変だったと思う。
しかも、自分もまだまだ血気盛んな鬼と呼ばれた若造監督だったので、助監督である斎藤さんに対して、かなり厳しく当たっていた。
それでも斎藤さんは最後までついてきてくれた。
そして、阿佐ヶ谷初上映時、斎藤さんは自ら進んで法被着て阿佐ヶ谷駅でチラシ配ってくれた。
しかし、音声のクオリティが低すぎて、観に来て頂いたお客さんを落胆させる結果となってしまった。
それでも斎藤さんは「みんなでアフレコやり直しましょうよ。リニューアル版作りましょうよ」と言ってくれ、リニューアル版のプレミア上映をご自身の主催する「シネマ秘宝館」で上映してくれた。多くのお客様に観て頂き、喜んでいただくことができた。
それを機に、愚連隊にはなくてはならなくなる音楽の桃井聖司さんや技術スタッフのダー機関も紹介して頂いた。
斎藤さんなくして、シネマ愚連隊の発展はなかった…
その後も斎藤さんの監督作品「フルチンコップ」を自分がプロデュースしたり、愚連隊の新作を秘宝館で上映してもらったり、拙作『どめくら』に役者として出演してもらったりした。
しかし、ここ7、8年ぐらいは疎遠になっていた。
またゆっくり酒でも飲みながら映画の話したかったな。
斎藤さん、ずるいよな。突然、死んじゃうんだもんな…
今はただ、ゆっくり休んでくださいとしか言えない。安らかに。そして、ありがとう。合掌。


